姿勢を良くする最善の方法は意識や根性じゃない
デスクワークや立ち仕事が続くと姿勢が悪くなる
デスクワークや立ち仕事が習慣になると姿勢は必ず悪くなる。
なぜなら、同じ姿勢を続けることで筋肉が疲労するから。
そして、筋肉が疲労すれば体を支える力は弱くなる。
すると以下のイラストにある積木のように骨格が不安定になります。
実際には、骨格が積木のように崩れることはありません。
しかし、不安定な骨格を支えるために特定の部位に力が入ります。
これは一時的なことではありません。
骨格が不安定な限りずっとです。
特徴的なのが腰痛や膝痛。
不安定な腰や膝の関節を支えるために局所的に筋肉の緊張が生じて、
結果的に違和感や痛みに変わるのです。
デスクワーク中に姿勢が変化する様子
以下の写真を見てください。
作業を始めた直後は疲れもないので、正しい姿勢を意識していれば頭の位置が背骨の上にあるように見えます。
しかし、時間が経つと背骨や肩甲骨、骨盤などを支えている筋肉は疲労します。
すると、頭の位置が背骨より前に倒れているように見えます。
頭の位置が前に倒れた姿勢というのは背骨のS字が崩れた証拠で、
いわゆる猫背やストレートネックに近い状態。
この疲労による崩れは意識するだけで問題解決するのでしょうか?
根性のある人なら一日くらいは我慢できるかもしれません。
しかし、実際にはほとんどの人が姿勢を悪くしていきます。
なぜなら、
背すじを伸ばそうとして無理に腰を反ったり、
無理に頭を動かしてストレートネックをゴマかす
そんな可能性が高いから
ですから、根性とか意識というのは短期的な解決にはなっても根本的な解決にはなりません。
そこで、問題解決するには大きく分けて3つの方法があります。
以降ではその3つの方法を紹介していきます。
即効性のある姿勢を良くする3つの方法
姿勢を良くする方法その1:機能性ウェア
機能性ウェアというとピタッとしたタイトなものをイメージするかもしれません。
しかし、ゆったりした普通のシャツのようなタイプもあります。
中でもおすすめしたいのは
ワコール社のCWXです。
このシャツを着て寝るだけで疲労が軽減されるんです。
もちろん、個人差はありますが当店を利用していただいているお客様からはポジティブな意見を多数聞きます。
デメリットをあげると、着心地が温かく感じるので夏に屋外で着用すると暑くなる可能性くらいでしょうか。
デスクワークや立ち仕事をしている人で運動嫌いな人は検討してみてください。
姿勢を良くする方法その2:ストレッチ
ベーシック編:腹式呼吸
腹式呼吸とは横隔膜の動きを使う呼吸法です。
横隔膜を動かすことで肺は広がりやすくなり、空気をたくさん吸い込むことができます。
腹式呼吸を行うと、副交感神経が優位に働き自律神経を調整してリラックスすることができます。
こり固まった筋肉を腹式呼吸でリラックスさせることで姿勢を整えやすくなります。
下記の流れを参考にして腹式呼吸をしてみましょう。
※横隔膜が下がって肺に空気が入る
※横隔膜が元の状態に戻る
※以上を10回繰り返します。
デスクワークで忙しい人は、これだけでもかまいません。
30分に1回とか、1時間に1回とか自分のルールを決めてトライしてください。
腹式呼吸を行うと肩甲骨が自然に動くのでストレッチ効果もあります。
アドバンス編:肋骨を動かす
デスクワークの時間が長い人におすすめな肋骨を動かすストレッチです。
肋骨の集まりである胸郭の動きをよくすることで肩甲骨の動きもよくなります。
下記の流れを参考にしてやってみましょう。
上記は、肩甲骨を動かす筋肉の一つ前鋸筋をストレッチする効果もあります。
前鋸筋とは下記のイラストにあるように脇に付着して肩甲骨を動かす筋肉の一つ。
前鋸筋の柔軟性が低下すると猫背反り腰の原因になります。
姿勢を良くする方法その3:筋トレ
ドローイン
(注)ドローインのやり方や注意点は動画を参照してください。
ドローインとは腹横筋というインナーマッスルを使うことに特化した腹圧を高めるエクササイズ。
腹横筋とは体幹を支えるインナーマッスルの一つ。
このエクササイズが推奨される人は下記のいずれかに当てはまるような人です。
- 慢性的に腰痛がある
- 腰の手術をした直後で日常生活に支障がある
- 猫背反り腰が常態化している
腹圧を高めて体幹を支えるのに腹横筋の強化だけでは不十分ですが、
上記に当てはまるような人は腹横筋を収縮させる能力が著しく低下している可能性が大。
ですから、まずは腹横筋だけに集中しようというわけです。
ブレーシング
(注)ブレーシングのやり方や注意点は動画を参照してください。
ブレーシングとは、
腹横筋以外に横隔膜、多裂筋、骨盤底筋といったインナーユニット全体
及び外腹斜筋、内腹斜筋といった腹筋群を総合的に使って腹圧を高める体幹の安定化エクササイズ。このエクササイズが推奨される人は主に以下のような人です。
- スクワットやデッドリフトで腰が痛くなる
- スポーツをすると腰が痛くなるなど
日常的には問題ないけど、トレーニングやスポーツ動作など腰に負荷のかかる運動を行うと違和感や痛みの出る人です。
ブレーシングを意識した自体重スクワット
(注)ブレーシングを利用したスクワットのやり方や注意点は動画を参照してください。
ブレーシングしながらスクワットを行えば背骨全体を支える筋力を強化できます。
また、臀部など骨盤を支える筋力を強化することも可能です。
つまり、身体全体を支える筋力の強化になります。
前述のブレーシングをマスターできた人はぜひ取り入れてみましょう。
自体重なので自宅やオフィスでも気軽にできます。
以上は比較的、即効性の出やすい短期的な取り組み。
以降では、根本的に姿勢を改善する取り組みについて紹介します。
専門的な要素が強くなりますが根本的に改善したい人はぜひ読み進めてください。
根本的に姿勢を改善するなら体幹以外にも注目しよう
骨盤を支える力が弱いと上半身の姿勢が崩れやすい
猫背反り腰の人は体幹だけではなく骨盤を支える力も弱い。
これは骨盤が体幹よりも下にあるという位置関係を考えれば明らかです。
言い換えると、骨盤を支える力が強くなれば連鎖的に体幹も安定しやすくなる。
以上から、根本的に姿勢を改善する際には骨盤を支える力の強化も優先順位が高くなります。
体幹にしか意識がいってなかった人はぜひ見直しましょう。
そこで、以下では骨盤を支える力を強化できるエクササイズを紹介します。
骨盤を支える力を強化できるエクササイズ
バランスボールで骨盤体操
- バランスボールに座って前後に少しずつ動く。
- 両膝と両肩の位置をできる限り動かさない。
- 10回×3セットを目安に。
骨盤の動きの詳細は以下の写真で確認してください。
ヒップリフト
通常はハムストリングスや大殿筋を強化する筋トレとして紹介されますが、
骨盤底筋はじめインナーユニット全体の強化にも適しています。
太ももと上半身が一直線になるようにお尻をアップさせ、
お尻のアップダウンを繰り返します。
10回×3セットを目安に。
バランスボールでヒップリフト
ヒップリフトの発展バージョン。
ハムストリングスや大殿筋などアウターマッスルの力も必要ですが、
姿勢をキープすることでインナーユニットを安定して使うことになります。
バランスボールの上に両足を置いたら、
太ももと上半身が一直線になるようにお尻をアップさせ、
身体がブレないようにアップダウンを繰り返しましょう。
10回×3セットを目安に。
チューブを利用した自体重スクワット
両脚をチューブで縛ってスクワットを行います。
チューブで両脚を縛ることで、
中殿筋や骨盤底筋など骨盤帯を支えるインナーマッスル全体に力が入ります。
10回×3セットを目安に。
骨盤を支える力を強化すると肩甲骨の位置も安定する
骨盤を支える力を強化する筋トレを行うと、
同時に肩甲骨の位置を安定させる効果も期待できます。
肩甲骨の位置が安定すれば、
頭の位置が背骨の真上にあるようなキレイな姿勢を違和感なくとれるようになります。
効果が現れるまでの期間は3ヵ月を目安にしてください。
週3回のペースで上記エクササイズを3ヵ月間継続できれば十分に効果を期待できます!
まとめ
姿勢の改善方法に関する情報には様々ありますが、必ず以下のいずれに当てはまるかを確認しましょう。
- 疲れたときに一時的に行う対処法
- 根本的に全身の姿勢を改善する取り組み
一時的に行うものはストレッチや軽い運動が中心になりますが、根本的な改善を目指す場合は筋トレ中心になります。
筋トレを行う場合はフォームが崩れないように継続して行う必要があります。
継続しても、効果を実感できない人は何らかの理由で効果がでていない可能性が高いので、
専門家によるパーソナルトレーニングを検討してみてください。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ