運動不足なので有酸素運動から軽めに運動を始めたい。どんな有酸素運動を選んで継続していけばいいのか教えてください!
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 脂肪燃焼の効果を出す目安
- 適切な方法論に加えて重要な継続する意志
- 有酸素運動で起こる代謝
- 有酸素運動と筋トレの違い
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、トレーニング指導歴15年ほどです。都内のスポーツジムでパーソナルトレーナーを経験しながらこれまでにのべ約5,000人以上にトレーニング指導を行ってきました。プロアスリートやファッションモデル、芸能関係のトレーニング指導も経験しています。
今回は、何らかの理由により運動機能が低下している人が、ゼロの状態から軽めの運動である有酸素運動を始めたらいつから脂肪燃焼の効果が現れてくるのかを中心に解説します。
運動機能が低下した背景には個人差があることを考慮しつつ、どんな人がどのような種類の有酸素運動をどのように進めていくべきかについても分かりやすくお話する予定です。
有酸素運動の効果がいつから現れるかの目安
1ヵ月で減らしてもいい体重は何kgか
一般的に1ヵ月に減量してもいい目安は体重の5%以内とされています。
おおまかですが、体重別に分けると以下のようになります。
- 体重60kgなら3kg以内
- 体重70kgなら3.5kg以内
- 体重80kgなら4kg以内
そこで、体重の5%以内の体脂肪を1ヵ月で落とす場合に必要な運動ノルマ※を運動の様式別に解説していきます。
運動様式は以下、
- クロストレーナー、エアロバイク
- ウォーキング
- ランニング
クロストレーナーやエアロバイクで脂肪燃焼する際の運動ノルマ
1ヵ月で体重の5%相当の体脂肪を減らすと仮定すると、
クロストレーナー、エアロバイク→ 一日あたり約1時間
※クロストレーナーもエアロバイクも運動負荷は161〜200W(ワット)
さらに、リミットが1ヵ月なら毎日行うことが条件です。
しかし!
運動不足で筋力や心肺機能の落ちている人(つまり初心者)が100W以上の負荷で1時間近くクロストレーナーやエアロバイクを漕ぐのはかなり辛い!😥
ウォーキングで脂肪燃焼する際の運動ノルマ
1ヵ月で体重の5%相当の体脂肪を減らすと仮定すると、
ウォーキング→ 一日あたり2時間18分
※1分あたり107m(1時間あたり約6.4km)のペース
リミットを1ヵ月とすると、
これが条件です。
つまり、皇居の周りをウォーキングする標準的なペースよりも速いスピードです。
運動不足で筋力の弱い人には辛いことが容易にイメージできます😥
ランニングで脂肪燃焼する際の運動ノルマ
1ヵ月で体重の5%相当の体脂肪を減らすと仮定すると、
ランニング→ 一日あたり約1時間
※1分あたり188m(1時間あたり11.3km)のペース
もちろんリミットが1ヵ月なら毎日行うのが条件。
1時間で11.3kmを走るのがどれほどのことなのか?
つまり、初心者で運動不足の人に対して、
皇居の周りを走っている初級レベルのランナーより速いペースで1時間ランニングしなさいという意味です。
それも毎日。
さらにいうと皇居ランニングが上級レベルの場合、一周の目安が約30分とされています。つまり時速10kmのペースなので、それより速いペースで走れということに…
どう考えても非現実的です😥
運動効果における理論と実践の違い
運動不足の人が運動を始めれば直後は筋肉痛になるし、
場合によっては腰や膝に違和感が出るかもしれません!
そのような状況を乗り越え、
1ヵ月間、一日も休まずに
前述の運動ノルマを達成するのは非現実的です。
つまり運動嫌いで運動不足な人には、
もっと現実的な運動ノルマが推奨されます。
1ヵ月の運動ノルマを限界値の半分以下にするとどうなる?
1ヵ月以内に落とす体脂肪を以下に変更するとどうか?
体重の5% → 体重の2%
具体的な運動ノルマは以下の通りです。
クロストレーナー、エアロバイク→25分
※運動負荷は161〜200W(ワット)
ウォーキング→55分
※1分あたり107m(1時間あたり6.4km)のペース
ランニング→25分
※1分あたり188m(1時間あたり11.3km)のペース
いずれも一回あたりの運動時間が大幅に減っていることがわかります。
しかし!運動中の負荷やペースは変わらないし、一日も休まずに1ヵ月継続しなければならない。
その上で以下いずれかが最低条件です…
- ランニング一日25分を毎日
- ウォーキング一日55分を毎日
- クロストレーナーもエアロバイクも一日25分を毎日
運動不足だった人が突然、こんなストイックになるとは思えません。
よって、減らす体脂肪の量をもっと少なく見積もるべきだし、休息日を設けるべきです。
つまり、1ヵ月以内に体重の2%相当の体脂肪減でさえ、
これまで運動不足だった人には非現実的です!
そこでもっと現実的な目安を考えます。
体脂肪を減らす際の現実的な運動負荷、ペース、期間
結論からいうとおすすめ期間の目安は3ヵ月
ただし、運動負荷や運動時間のノルマは以下の通り変わりません。
クロストレーナー、エアロバイク→25分
※運動負荷は161〜200W(ワット)
ウォーキング→55分
※1分あたり107m(1時間あたり6.4km)のペース
ランニング→25分
※1分あたり188m(1時間あたり11.3km)のペース
さらに、以下4つの注意事項を遵守します。
つまり、上記のやり方にしたがいながら
これが現実的な目標です。
ただし、あくまで理論上の話しです。
初期段階での体力レベルや筋肉痛への耐性、メンタル面などは考慮されていません。
初期段階での体力レベルが低い人ほどクロストレーナーやエアロバイクでの運動負荷を減らす必要があるし、ウォーキングやランニングのペースも落とす必要があります。
そして、運動負荷やペースダウンは当然ながら効果が出るまでの時間を延長させます。
つまり、3ヵ月以上かかるということです。
人によっては6ヵ月かそれ以上かもしれません。
その期間を決める主な因子は以下
- 初期段階での体力レベル
- 筋肉痛などケガへの耐性
- メンタルの維持
3ヵ月を目安にできる人はあくまでここで示した運動負荷やペースを守った上で継続できる人であり、かつ筋肉痛はじめケガなどで運動を中断しないで継続できる人です。
さらに、食生活の問題もついて回ることを忘れてはいけません。
端的にいうと、以下の関係性を崩すような食生活は論外です。
消費カロリー>摂取カロリー
短期間でストイックに体脂肪を上限近くまで減らせる人
1〜2ヵ月の短期間で体重の5%相当の体脂肪を減らせる人とは⁉︎
結論からいって、
女性よりも男性の方が有利
しかし、一般的にダイエットに性差は大きく影響します。※理由はコチラ
その上で以下4点の全てに当てはまるような人です。
- 元々、基礎代謝が高く運動時以外にも脂肪の燃焼が起こりやすい
- 強い意志で運動を継続できる
- 消費エネルギーと摂取エネルギーのバランスを考えた食生活を守ることができる
- 過去のケガや病気による後遺症で運動機能の障害などがない
運動不足で食生活の乱れている人には相当高いハードルです。
ほとんどアスリートの領域です。
ですから、アスリートのレベルに近い領域まで踏み込むべきではない人は、
現実的な方法で取り組んでいきましょう!
次項でおすすめの方法を低強度から高強度の順に紹介します。
有酸素運動の種類とおすすめ
エアロバイク
エアロバイクは構造によって以下のように大きく2つに分類されます。
イスに背もたれのあるリカンベントバイク
背もたれのないアップライトバイク
アップライトバイクは自転車を漕ぐような感覚になります。
自転車を20分以上漕ぐと腰や膝が痛くなる人はリカンベントバイクを選ぶといいでしょう。
腰や膝に問題ないならアップライトバイクを選びましょう。
アップライトバイクの方が上半身の姿勢をキープするので、多少の筋トレ効果を期待できます。
クロストレーナー
クロストレーナーはエアロバイクと違い、立ち上がった姿勢で使う有酸素運動マシンです。
立っているにもかかわらずランニングと決定的に違うのは股関節、膝、足首などにかかる負担が少ないこと。
ランニングでは地面を蹴ることで推進力を生み出しますが、クロストレーナーではペダルを後方に押し出すことで推進力を生み出します。
ここに注目!
クロストレーナーでは足部パネルに乗せた足の裏が完全に地面から離れる瞬間がない!
これはパネルを蹴っているのではなく押し込んでいるから!
ですから、ランニングをすると身体に違和感や痛みが出る人にはおすすめのマシンです。
ランニングマシン(トレッドミル)
有酸素運動マシンの中では最も強度が高いのがランニングマシンです。
エアロバイクやクロストレーナーしか使ったことがない人が、
いきなりランニングマシンで走ると股関節、膝、足首などに
痛みを感じることは珍しくありません。
初めてランニングマシンを使う人はウォーキングから始めていく方が安全です。
さらに、強度を上げる際は速度ではなく傾斜を上げる方が、
股関節、膝、足首などへの負担を減らすことができます。
股関節や体幹の筋力がある程度ついてきたら
徐々に速度を上げてランニングに移行してみましょう。
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ランニングマシンはエアロバイクやクロストレーナーに比べてサイズが大きくなります。
もしも自宅にランニングマシンを置くスペースを確保できないならスポーツジムで!
※どちらもWEB入会可
屋外でのウォーキング
エアロバイクに次いで気軽にできる有酸素運動の一つウォーキングですが、フラットな道を歩くだけでは強度が高くないし長時間歩けばいいというものでもありません。
ですから、坂道や階段を積極的に利用するようにしましょう。
坂道や階段でウォーキングするポイントはコチラ
また、一度に30分以上歩かなくても一日の合計が30分でも脂肪燃焼の効果は変わりません。
ただ歩くだけではなく必ず心拍数を測定するようにしましょう。
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全てのモデルで心拍数や睡眠データの計測が可能で、上位モデルでは血中酸素濃度や心電図の測定機能も搭載されています。
最新モデルのApple watchSeries8とUltraには皮膚温センサーも搭載されているので女性が月経周期を管理するのにも役立ちます。
屋外でのランニング
初心者向けの方法としてランニングは最も効率のよい有酸素運動です。
適切なフォームで一定以上のペースで走ることが前提になりますが、それさえクリアできれば脂肪燃焼には最も効果的です。
参考までに、一般的なランニングの定義は以下
参考サイト:健康づくりのための身体活動基準2013(厚生労働省)
時速7.5kmでランニングする目安としては一周が約5kmとされる皇居周りを約40分で走ることになります。
もちろん、走る人の体力などフィジカルな初期条件は走るペースに影響するので上記よりも遅いペースから始めるべき人もいます。
そして、何よりも重要なのがケガの予防。
ランニング前後のストレッチはもちろん必要に応じて筋膜リリースなどで筋肉に疲労をためないことです。
さらに、もう一つ大きなポイントがシューズ。
ランニングシューズの機能性には以下のような効果を期待できます。
- 膝や足首など関節への衝撃を緩和する
- ソールの反発性によって走りをサポートしてくれる
- 素材の改良による軽量化で足運びが楽になる
有酸素運動の中でも高効率のランニングをケガなく行うには必須のアイテムです!
初心者の場合はパフォーマンスアップよりもケガ予防の優先順位を高くするべきです。
やはり継続は確実な効果を生むから
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有酸素運動と代謝について
基礎代謝について
基礎代謝とは体温の維持や調節、呼吸・循環器や臓器などの働きを正常に行うために使われるエネルギーで、運動以外で消費されます。
通常、基礎代謝のピークは成長期を終える10代後半で、
それ以降は加齢とともに低下します。
しかし20代以降でも、
基礎代謝の低下を避ける、もしくは低下するスピードを遅らせることは可能です。
それは、筋トレによって筋肉量を増やすこと。
それに有酸素運動しつつも基礎代謝が高い方が脂肪燃焼の効果は、
さらに高いっ!
定期的な筋トレを少なくとも1年以上継続できれば、
徐々に体重の増減をコントロールすることが容易になります。
そのときこそ、基礎代謝の恩恵を感じられるでしょう。
基礎代謝を上げる
運動不足の場合は基礎代謝が著しく低い状態がスタートです。
さらに基礎代謝は運動し始めてすぐに上がるわけではないし、
年齢や性別などにも左右されます。
一般的には年齢が50歳未満の男性の方が高くなります。
50歳以上の男性や筋力の弱い女性であっても、
筋肉量アップの条件を満たせば基礎代謝のアップを期待できます。
しかし、必ず個人差は生まれます。
基礎代謝アップによる脂肪燃焼の恩恵を受けられるのは、筋トレなどで筋力の限界に近い負荷をかけながら筋肉量を増やすことができる場合のみ。
ただし、ランニングの場合は走るペースで事情が変わります。
フルマラソンでサブ3、サブ3.5のランナーになるにはスピードとスタミナどちらも強化しなければなりません。
この場合、一定の時間や距離を速く走ってインターバルをとるトレーニングが必要で、このようなトレーニング負荷に順応できれば基礎代謝を上げていくことは可能です。
つまり、運動不足で筋力や心肺機能の落ちている人が、
運動を始めた数ヵ月で効果の出る方法ではありません!
有酸素運動で起こる代謝
有酸素運動による脂肪燃焼は運動開始からすぐに起こります。
しかし、それは基礎代謝によるものではありません。
身体活動によって必要なエネルギーを生成するための代謝です。
具体的にいうと、
- エアロバイクは座ってるから身体を支える必要性が少ない
- クロストレーナーやウォーキングは立っているがランニングに比べ衝撃がない
- ペースの遅いランニングでは筋肉への負荷が少ない
要するに、筋トレに比べて筋肉への負荷が小さい。
だから、
よって、筋肉量を増やすには以下を組み合わせることになります。
- 筋トレ
- ランニングの強度を超えるインターバルトレーニング
上記のうち一般的なのは筋トレです。
筋トレというとウエイトトレーニングのイメージが強いかもしれませんが自重トレーニングであってもやり方を工夫すれば筋肉量を増やすことは可能です。
まとめ
運動不足な状態から軽めの有酸素運動をスタートさせたとしても一年以上継続できる人、筋トレも取り入れて両者をバランスよく行える人は決して多いとはいえません。
一念発起してスポーツジムに入会しても3ヵ月以内に退会、むしろこっちの方が多数派。
また、有酸素運動で脂肪燃焼できても消費した以上に食べれば元の木阿弥。
運動不足な人が運動を始める際には、乗り越えるべき2つの壁があります。
端的にいうと運動の継続と食生活の改善ですが、生活習慣に直結する2つの壁を乗り越えられるか否かは非常に重要です。
- 運動で減らした体脂肪は運動量を減らすかゼロにした瞬間から元に戻り始めている
- いくら運動でエネルギー消費してもそれ以上に食べれば意味がない
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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