はじめに
クロストレーナー(左から2つ目)はエリプティカルトレーナーとかエリプティカルバイクと呼ばれることもあります。有酸素運動の代表的なマシンの一つですが負荷の設定によっては筋トレのような筋力アップもある程度は期待できます。今回はクロストレーナーを使う上でのデメリットについて解説するとともにデメリット解消の効果を期待できる方法についても紹介していく予定です。
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クロストレーナーを使うメリットが一転してデメリットになる⁉︎
メリット1:軽い負荷でも運動してる感覚になる⁉︎
クロストレーナーは自転車を立ちこぎするイメージ
これはクロストレーナーについて説明する際によく用いられている表現の一つです。
とてもわかりやすい表現ですが以下の通り注意点が2つあります。
- クロストレーナーと自転車ではハンドルの構造が違う
- 自転車の立ちこぎは坂道がほとんど
まず、自転車でどのような運転をしてもハンドルのみが動くことはありません。
具体例として自転車競技のコーナリングをイメージしてみましょう。
コーナリングではハンドルが動いているように見えます。
しかしハンドルのみが単独で動くのではなく車体と人が傾きながら、前輪及び車体の前部がそれに合わせて動くことでハンドルが動いているように見えるだけです。
ところが、クロストレーナーではハンドルもペダルの動きに合わせて動く。
これはクロストレーナーがエアロバイクや自転車と決定的に違う点です。
ハンドルが動くことで、以下のような運動効果が順に現れます。
- ハンドルが動く→両腕が動く
- 両腕が動く→肩甲骨も動く
- 肩甲骨が動く→腹筋、背筋に力が入る
ここからいえることは負荷の高低にかかわらず常に全身を動かしている状態になる。
一見、メリットに思えますよね⁉︎
しかし、これが一転してデメリットに変わることがあります。
なぜか?
そもそも自転車で立ちこぎするのは上り坂のように下半身の力がより必要なときです。
ところがクロストレーナーでは設定を変えない限り自転車で坂を上がるような負荷にはなりません。
つまり、軽い負荷でクロストレーナーを使うと平坦な道を自転車の立ちこぎで移動するような状態になります。
わざわざ平坦な道で立ちこぎなんてしませんよね。
でも、クロストレーナーの設定の仕方を知らずに使うとこんなこともあり得るんです。
さらに、クロストレーナーはハンドルも動いて全身を使った運動になるから軽い負荷でも満足してしまう可能性がある。
これは運動嫌いでできるだけ早くセッションを終わらせたいと考えるような人ほど陥りやすい感覚です。
もし、そのままクロストレーナーを使い続けてしまえばどうなるか?
悪い可能性として考えられるのは、
- 回転数が上がり過ぎてすぐに息切れしてしまう
- 腸腰筋が疲労して腰に負担がかかる
まず回転数ですが、クロストレーナーで消費カロリーを増やすには回転数を40rpm〜60rpmにキープするのが目安だといわれています。
例えば、回転数60rpmを基準にするなら60rpmをキープできる範囲で負荷を上げていくのが王道です。
それをせずに軽い負荷で回転数だけ上げても手脚を必要以上に速く動かすことになるので消費カロリーを増やす前にバテてしまう可能性が高い。
つまり有酸素運動にならないということです。
そして、軽い負荷で必要以上に回転数を上げると股関節を伸展させる動きよりも屈曲させる動きが強調される可能性があります。
なぜなら、ペダルが軽くなると負荷を感じにくいのでペダルが前に戻る動作(膝が曲がる動作)、つまり股関節の屈曲で力が入りやすくなるから。
股関節を屈曲させる筋肉の一つは腸腰筋です。
腸腰筋は股関節を屈曲させるだけではなく腰椎を支えている筋肉でもあるので過度な緊張は腹圧の低下を招き腰痛につながる可能性があります。
これは初心者ほど陥る可能性が高くなります。
メリット2:関節への衝撃が少ない
足首や膝関節、腰に負担がかからないというのは一見とてもメリットなように思えますが、実はそれがデメリットになる場合があります。
例えばランニングでは足の裏が地面に着地したり、もしくは地面を蹴る度に下半身には地面からの反力が衝撃として跳ね返ってきます。
仮に膝関節に衝撃が集中するような走り方をしていれば半月板などの軟骨にダメージが蓄積していきます。
しかし、上級者のランナーになればなるほど関節への衝撃を抑える能力が高くなります。
なぜなら、軟骨などの組織だけではなく下半身の筋肉の作用でも衝撃を吸収したり分散させたりできるから。
具体的にいえば、
- 足部では足底腱膜が足底アーチを構成して地面から受ける衝撃を吸収・分散させるし、地面を蹴る際の推進力にもなる。
- 下腿では下腿三頭筋(ふくらはぎ)の作用によって足首や膝への衝撃が緩和され、さらに地面を蹴ることができる。
- 大腿部ではハムストリングスの作用によって膝や腰への衝撃が緩和され、大腿四頭筋の作用によって膝を力強く伸ばして地面を蹴ることができる。
さらに、大殿筋(お尻)や腸腰筋などの作用で骨盤や体幹などが支えられるし、大殿筋にいたっては地面を蹴るための推進力にもなります。
つまり、上級者のランナーほど軟骨などの組織以外に筋肉の作用でも関節への衝撃を抑える運動能力が高いのです。
ということは、地面から受ける衝撃があるからこそ下半身の筋肉も発達していくし、関節に負担が集中しないように身体を支える力もアップしていくのです。
裏を返せば、クロストレーナーのように衝撃が少ない運動をいくら行ってもランニングのような筋肉への刺激がありません。
要はクロストレーナーではランニングほどヒップアップやふくらはぎ痩せの効果はないということです。
メリット3:動作の軌道が一定している
クロストレーナーはランニングと違って、自分で動作の軌道を安定させる必要がありません。つまり、ペダルの動きに合わせている限り特にバランスを崩すこともありません。
これは見方を変えると姿勢を安定させる筋力がそれほど強くなくてもある程度は楽に運動ができてしまうということです。
素晴らしいことじゃないか!
そんな声も聞こえてきそうですがホントにそうでしょうか?
姿勢を安定させる筋力とはつまりインナーマッスルです。
骨盤底筋とか腹横筋とかって聞いたことある人も多いかもしれませんがいずれも骨盤や腰椎を支える筋肉の一部です。それらが機能していないのに運動できてしまうということはインナーマッスルは発達しないけど手脚を動かすアウターマッスルが優先的に発達する可能性を示唆しています。
インナーマッスルが弱いのにアウターマッスルだけ発達していけばどうなるか?
骨盤や腰椎を支える力が弱いのに手脚を動かす力が強くなるので腰痛や膝痛につながります。
クロストレーナーのデメリットを解消する(基礎編)
負荷を調節して適切な有酸素運動を行う
負荷を上げていくとペダルが重たくなるので下半身の筋力がより必要になります。
さらにハンドルの動きも重たくなるのでそれに合わせて上半身を動かせば腹筋も背筋もしっかり使います。
負荷を上げていく目安については回転数と心拍数を指標にしましょう。
回転数はrpmで表示され、1分間あたりの回転数を表しています。
60rpmを目標に負荷を上げていきましょう。
60rpmに到達する前に心拍数が上がり過ぎる場合は回転数の目標を60rpmより下げましょう。
脂肪燃焼に最適な心拍数には個人差がありますがカルボーネン法の公式で計算すれば目標心拍数を特定できます。
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傾斜を上げてヒップアップとふくらはぎ痩せ
スポーツジムにあるクロストレーナーの傾斜はだいたい15%〜16%くらいまで上げることができますが、15%の傾斜にするとかなり奥行きの狭い階段を上がっているような感じになります。
傾斜を上げるほど上記のように階段の奥行きが狭くなると思えばイメージしやすいかと思います。傾斜を上げることで股関節の屈曲が抑えられ、より伸展を意識しやすくなります。
ヒップアップの象徴である大殿筋は股関節の伸展で力が入るので傾斜を有効活用しましょう。
さらに、股関節の伸展だけではなく膝、足首の力も使うトリプルエクステンションが起きやすいので大殿筋にも下腿三頭筋にもしっかり力が入ります。
つまり、傾斜アップはヒップアップやふくらはぎの引き締めにつながります。
うまくやれば別途、ヒップアップのトレーニングをする必要もありません。
ただし、一般的に家庭用クロストレーナーに十分な傾斜の機能はありません。
あるとしても各メーカーの上位モデルのみ。
そこで、傾斜にこだわりたいならスポーツジムに入会してクロストレーナーを使うといいでしょう。
下記は全国展開している大手ジムのティップネスとセントラルスポーツ
WEB入会可
クロストレーナーのデメリットを解消する(応用編)
クロストレーナーをかかと荷重でこいでないか確認しよう
足裏全体がペダルに接したままこいでいる
このような特徴のある人はクロストレーナーをかかと荷重でこいでる可能性があります。
かかと荷重の場合、ハムストリングスの柔軟性が低いと骨盤が後傾しやすくなります。
骨盤が後傾したままペダルをこぐことで股関節よりも膝を伸展させる力が強調されやすくなります。
また、かかとが常にペダルから離れないのでふくらはぎにも力が入りにくい状態になります。
要するに、太ももの筋肉だけにたよった運動になるわけです。
結果的に大腿四頭筋の力に依存することになるので、お尻やふくらはぎが引き締まらないのに太ももだけガッチリしてきた…
なんてこともあり得ます。
クロストレーナーを逆回転でこいでないか確認しよう
クロストレーナーを逆回転でこぐことには大殿筋やハムストリングスを使いやすいというメリットもありますが、人によってはデメリットがあることも忘れてはいけません。
結論からいって、ハムストリングスの柔軟性が低い人にはデメリットになることが多い。
まず、ペダルが後方に回転すると骨盤は後傾しやすいという前提があることに加えて、
ハムストリングスの柔軟性が低いと骨盤の後傾した不良姿勢がキープされてしまう可能性が高くなります。
すると前述同様に、
- ハムストリングスの柔軟性が低い→骨盤が後傾しやすい
- 骨盤が後傾したままペダルをこぐ→股関節よりも膝を伸展させる力が強調されやすい
- かかとがペダルから離れない→ふくらはぎに力が入りにくい
よって、大腿四頭筋の力に依存することになり、お尻やふくらはぎが引き締まらないのに太ももだけガッチリしてきた…
というパターンになり得ます。
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トレッドミルを使う
前述の通りクロストレーナーを使うメリットの一つは腰や膝など関節への衝撃が少ないことですが、裏を返せば下半身の筋肉の作用で関節への衝撃を抑える機会が減ることになります。
これはクロストレーナーやエアロバイクを使っている限りどうしようもありません。
一方でトレッドミルを使えば関節への衝撃が増すので下半身の筋肉の作用で衝撃を吸収・分散させる必要があります。
言い換えると、トレッドミルを使いこなせれば腰や膝など関節への衝撃を軟骨だけではなく筋肉の機能で抑えることができるようになるということ。
ただし、ウォーキングするにしてもランニングするにしてもクロストレーナーのように動作の軌道が決められていないのでフォームが重要です。フォームが悪ければ下半身の筋肉を適切に使うことはできません。
スピンバイクを使う
スピンバイクも腰や膝など関節への衝撃を心配しなくてもいい。
この点はクロストレーナーや他のエアロバイクと同じ。
しかし、スピンバイクがクロストレーナーや他のエアロバイクと決定的に違うのは
無酸素運動(筋トレ)ができること
筋トレができる上にトレッドミルの上を走るような関節への衝撃もない。
クロストレーナーは有酸素運動に特化しているので無酸素運動(筋トレ)も取り入れたいというニーズがあれば
クロストレーナーよりスピンバイクを選択する方がいいでしょう。
何より膝や腰への衝撃を心配することなく無酸素運動(筋トレ)ができるのがスピンバイクのメリット
インナーマッスルの強化
前述の通りクロストレーナーを使っているだけだとインナーマッスルよりもアウターマッスルが優位に発達していく可能性があります。
かといって膝や腰に負担がかかるからトレッドミルは嫌…
そんな人におすすめなのがインナーマッスルのトレーニングです。
クロストレーナーの運動とは別にインナーマッスルのトレーニングを行えばアウターマッスルが優位に発達するかもしれないというクロストレーナーのデメリットを解消できます。
問題はインナーマッスルを集中的にトレーニングするのは難しい…
そんな場合はパーソナルトレーニングを利用するのがおすすめです。
プライベートジムでも一般的なフィットネスジムでもパーソナルトレーニングの利用は可能です。
まとめ
クロストレーナーのデメリットはメリットの裏側に隠れています。
対策として初心者の人ほど設定についてよく理解しておきましょう。
楽だからという理由だけでクロストレーナーを選ばない方がよさそうです。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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