はじめに
結論からいうと、一般の人でも男性なら
デッドリフト100キロは特別な記録ではありません
それどころか150kg前後までならゴリマッチョが集うような本格的なジムでなくてもそこそこいるレベルです。
150kgのハードルが低いわけではありません!
では、デッドリフトは100キロまでじゃ意味がないのか?というと必ずしもそんなことはありません。
そこでどんな場合は意味があって、どんな場合は意味がないのかなど、100キロという一つの基準について約20年フィットネス事業に従事してきた私の指導経験から解説していきます。
参考サイト:STRENGTH LEVEL
デッドリフトは100キロまでで十分かについて見解
初心者の場合
男性について
初心者だからといって必ずしも筋力が弱いわけではありません。
いわゆるガタイのいい人なら
初心者でもいきなり100キロ上がる男性はいます。
しかし、初心者がなんの練習もせず最初から
適切なフォームでデッドリフトできるか
といえば話は別。
その点を考慮すれば初心者の男性が適切なフォームで100キロ上げることを当面の目標にするのは理にかなっているといえます。
デッドリフトの適切なフォームについて
パフォーマンスが高い人を参考にするのがおすすめ
気になる人は以下の記事を参考にしてください。
デッドリフトが強い人はまず体つきが全く違う!その特徴を解説します!
女性について
一般の女性にとってデッドリフト100キロというのはかなり高いハードルです。
これは上記の表から明らか。
体重90キロでもデータ上はトレーニング歴が1年以上ないと100キロ上げる人はいません。
ここでの体重90kgとは筋肉量を増やした状態です
日本人女性の平均体重(約53kg)を考慮すれば1年未満のトレーニング歴ではゼロ。
参考サイト:https://unit.aist.go.jp/riss/crm/exposurefactors/documents/factor/body/weight.pdf
平均体重以下で100キロに到達できる可能性があるのは
- 体重40kg〜50kgで5年以上
- 体重50kg以上でも3年以上
少なくとも3年以上のトレーニング歴が必要になります。
平均的な日本人女性が少なくとも3年以上かけて筋肥大や最大筋力アップにストイックに励むか?といえば、いたとしても少数派に分類されると考えられます。
ということは、一般的に考えれば将来的に可能であってもボディメイクの大会を目指すなど特殊な事情のない初心者の女性にとっては100キロは特に目標にすべき数値ですらありません。
中級レベル以上を目指す場合
男性について
下記の表を見れば、
体重60kg以上で中級者以上の男性なら
デッドリフトのMAXはデータ上100キロを軽く超えるのがわかります。
STRENGTH LEVELのサイトではトレーニング歴1〜3年を中級レベルとしています。
それによればトレーニング歴3年未満で体重50kg〜55kgの男性なら100キロを当面の目標にすることは理にかなっているといえます。
しかし、体重55kg以上の人になるとMAX100キロは目標ではなく通過点に変わっていきます。
デッドリフトを行う目的にもよりますが、筋肥大や最大筋力アップを目指して長期的なトレーニングを考えている人にとっては体重に関係なく100キロはただの通過点にすぎません。
女性について
トレーニング歴が3年近くあるような女性であってもデッドリフト100キロを達成できるのはデータ上では体重80kg以上の人に限ります。
また、高校1年(15歳)で100キロ以上の記録を残す人もいますが、それでもデータ上ではトレーニング歴3年以上かかります。
しかも体重80kgは筋肥大や最大筋力を高めた結果としての体重だし、15歳までに3年以上のトレーニング歴があるのは将来的にパワーリフティングの大会を目指すような人になってきます。
ということは、
- 筋肥大、最大筋力を高めて体重80kg以上にする
- 3年以上かけて筋肥大し、最大筋力も高める
- パワーリフティングの大会を目指す
このような目的がない女性にとって3年以内にデッドリフト100キロというのは目標にすべき数値ではありません。
あえてデッドリフト100キロまでもしくは100キロ未満にするのは?
女性の美容目的の場合
女性が美容目的でデッドリフトを取り入れる場合は目標100キロは重過ぎる
美容が目的の場合は筋肉のサイズを太くしたくないというニーズも含まれることが多く、筋肥大や最大筋力アップではなく筋持久力アップを中心に考えるのが一般的です。
あるデータによれば、
- 仮に身長が189㌢あっても標準体重は約79kg
- 日本人の女性なら高身長でもせいぜい175㌢くらいで標準体重が約67kg
ここから考えても一般的な日本人女性(平均身長160㌢未満)がデッドリフト100キロ上げるために体重を80kg以上まで増やすのは非現実的だとわかります。
参考サイト1:https://www.kumachu.gr.jp/department/other/nutrition/kg.php
参考サイト2:https://shingakunet.com/journal/column/20160417130000/#
デッドリフトが最終目的ではない場合
トレーニングプログラムの中でのデッドリフトの位置付けによってはあえて100キロまでとか100キロ未満でデッドリフトを行う人もいます。もちろんトレーニング歴の長い人も例外ではありません。
例をあげれば、
高負荷スクワットで下半身の筋肉が疲労した後、ルーマニアン・デッドリフトの特性を利用して軽めのバーベルでハムストリングスに刺激を与え、股関節の屈曲可動域を狭くしないようにする。
高負荷スクワット↓
軽めにルーマニアン・デッドリフト↓
その他にもウエイトリフティングの種目を行っている人の中には最終目的のスナッチやクリーンにつなげるプロセスの一部としてデッドリフトやルーマニアン・デッドリフトを取り入れる場合があります。
最終目的のクリーン↓
動作の確認としてルーマニアン・デッドリフト↓
ここもデッドリフトで100キロ上げるかどうかは問題ではなく、最終目的へのプロセスの一環として動作の確認を行うことが目的になります。つまり、動作スキルの確認が目的なのであえて100キロ未満の重さにすることは珍しくありません。
まとめ
100キロのデッドリフトが十分かどうかは、結局のところその人の目的で変わります。初心者の領域から中級者の領域に移行途中の人にとって100キロはチャレンジングな重さになり得ますが、中級の領域に踏み込んで上級者の領域に近づいている人にとってはウォーミングアップ程度の重さです。
デッドリフトを行う目的が、パフォーマンス向上である瞬発系アスリートにとっては100キロは通過点に過ぎません。さらに、一般の人であっても筋肥大プログラムの一環としてデッドリフトを行っている場合も通過点に過ぎません。
まわりが◯◯kg上げたとかの情報に惑わされることなく自分のやるべき重さを見極めて重さを設定しましょう。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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