トップが低い原因は体幹と骨盤に注目!
肩甲骨の可動性は肩甲骨だけで決まらない
トップの位置が低い=肩甲骨の可動範囲が狭い
これは一見、正しく聞こえますが実はベストアンサーではありません。
なぜなら、肩甲骨の可動性は肩甲骨以外の骨格も影響するから
中でも胸椎と胸郭はかなり影響します。
さらに胸椎や胸郭の動きは体幹や骨盤の影響を受けます。
ということは、肩甲骨の可動性が悪い要因として
肩甲骨とは位置が離れている骨盤が影響することも十分考えられます。
ゴルフスイングも例外ではありません。
トップの位置が低い原因を考える上で体幹や骨盤のコンディショニングも無視できません。
体幹や骨盤のコンディションが肩甲骨の可動性に影響する
上記のように自然にトップの位置までもってこれる人、
極端に低い位置にならない人に共通するのは
- バックスイングの過程で軸がブレない
- 軸がブレないまま肩甲骨を動かすことができる
- トップの位置が不自然に低くならない
一方、軸がブレる人は、
- 腹斜筋群の柔軟性が低いからバックスイングで骨盤が回転する
- 骨盤が回転すれば腰が回る
- 肩甲骨の可動性よりも腰を回してトップをつくる
このような流れが考えられます。
さらに、腹斜筋群の柔軟性だけではでなく内転筋、中殿筋など股関節の筋力が弱いことも軸がブレる要因になり得ます。
内転筋、中殿筋が弱いと股関節を支えることができません。
股関節は大腿骨の先端(大腿骨頭)が骨盤の臼蓋という部位に収まって構成されている関節です。
つまり、股関節を支える力が弱ければ骨盤を支える力にも影響します。
よって、先述のようにバックスイング、トップに影響が出ます。
ということで、
トップの位置が低い根本的な原因→体幹と骨盤のコンディション不良
という視点で話しを進めていきます。
ゴルフの競技特性に合わせた筋トレでトップの位置を高くできるようになる
ゴルフの競技特性に合わせた筋トレを実施する前のトップ
ここで、ゴルフの競技特性に合わせた筋トレを1年以上実施してきた筆者のスイングの変化を見比べてもらいます。
まずは、実施前のスイングの様子を以下の動画で紹介します。
トップの位置が低いのが顕著です。
しかし、1年後のスイングではトップの位置が高くとれるようになっています。
その様子を次項の動画で紹介します。
ゴルフの競技特性に合わせた筋トレを実施した後のトップ
両者を見比べると、後者の方がバックスイングの可動範囲が大きくなっていることがわかります。この1年間にやってきたことは肩甲骨体操ではありません。
以下3点になります。
- 体幹や骨盤、股関節まわりの筋トレ
- 筋トレで強化した筋力をバックスイングへフィードバックさせる
- バットの遠心力を利用したスイング
以降では実際に筆者がやってきた筋トレを紹介していきます。
ゴルフスイングのトップ改善につながるストレッチと筋トレについて
股関節の筋トレ
脚回し
10×3セットを目安にしてください。
チューブを利用した脚回し
上記ではサーキットトレーニングとして行っていますが、それぞれのエクササイズ間にインターバルをとりながら行っても問題ありません。
体幹や骨盤、股関節まわりの筋トレ
オルタナティブアームアップ.w/Lowerスタビライゼーション
スクワットでしゃがんだ姿勢をキープしながら両腕を交互に動かします。
10回×3セットを目標に実施します。
手順
- 足幅を腰幅よりやや広くしてお尻を膝の高さまで下げる
- 両手の指先を地面に付ける
- 片手の指先を地面に付けたまま、もう一方の手を正面から頭上に向けて挙げる
- 左右の手を入れ替えて同様に行う
以上を1回の動作とする。
注意点
- 一定のスピードで行う
- 膝が内側に入ったり、お尻の高さをキープできないなど姿勢が崩れたらそこでストップする
レッグマジックでスクワット
10回×3セットを目標に実施します。
注意点
- 両足を乗せるパネルがなるべく動かないように行う
- バーを両手で握るのではなく手を添えるだけ
- 膝が内側に入ったり、背中が丸まるなど姿勢が崩れたらそこでストップする
***レッグマジックについて***
レッグマジックを使うと股関節の筋肉に適切な負荷を感じながらスクワットができるので非常にお勧めです。
フラットな床の上で行うスクワットとは全然違います。
ゴルフスイングに活かすには最適なツールの一つです!
サイドステップ
5回×3セットを目標に実施します。
手順
- 両足を閉じた状態で両膝の下をチューブで縛る
- 両足と両膝をできる限り開いたままその幅をキープする
- 左右のどちらかに5㍍進んでいき、そこから反対向きに5㍍戻る
以上を1回の動作とする。
注意点
- 膝を軽く曲げながら行う
- 背中が丸まるなど姿勢が崩れたらそこでストップする
***チューブについて***
チューブを使うと股関節の筋肉に適切な負荷を感じながらサイドステップができるので非常にお勧めです。
ゴルフの競技特性に合わせながら股関節を強化するなら最適なツールの一つです!
筋トレで強化した筋力をバックスイングへフィードバックさせる
スタンディングThローテーション パターン1
10回×3セットを目標に実施します。
手順
- 両足を腰幅に開いて、両手を後頭部に置く
- 両肘をできる限り開いたまま上半身だけを左右に回旋させる
以上を1回の動作とする。
注意点
- 膝を軽く曲げながら前傾姿勢で行う
- 骨盤から下を動かさないように行う
スタンディングThローテーション パターン2
10回×3セットを目標に実施します。
手順
- 両足を腰幅に開いて、両腕を伸ばしてそろえる
- 両肘を曲げないようにできる限り上半身だけを左右に回旋させる
以上を1回の動作とする。
注意点
- 膝を軽く曲げながら前傾姿勢で行う
- 骨盤から下を動かさないように行う
- 両肘を曲げないように行う
レングスターン
10回×3セットを目標に実施します。
手順
- 両足を腰幅に開いて、ストレッチポールの両サイドを保持する
- ストレッチポールを頭上に向かって円を描くように動かす
以上を1回の動作とする。
注意点
- 膝を軽く曲げながら前傾姿勢で行う
- 骨盤から下を動かさないように行う
- 両肘をなるべく曲げないように行う
***ストレッチポールについて***
今やエクササイズツールの王道といっても過言ではないストレッチポール
その用途は肩甲骨のストレッチだけではありません。
ゴルフの競技特性に合わせた上記のような筋トレにも必需品です!
ゴルフクラブ以外のスイング練習
例えば、野球のバットを使ってスイング練習することでドライバーよりも大きな遠心力がヘッドに働きます。その遠心力を利用することで体幹、骨盤、股関節周りの筋力を強化しながら肩甲骨の可動範囲を広げていくことができます。
また、先の動画にあるように左手と右手の位置を逆にしてスイングすることで引き手の適切な使い方を覚えることができます。※動画は右打ちです。
これは、引き手側の手首と肘の余分な動きを制限しながら肩や肩甲骨の適切な動きを使いやすくなるからです。
より具体的にいうと、スイングにおいて引き手側では手首、肘、肩、肩甲骨という主要な上半身の関節をバランスよく使う必要がありますが人体には末端の関節の方が動かしやすいという特性があります。
スイング中の上半身でいえば手首と肘が末端に近い関節です。
その手首と肘の余分な可動を制限して肩や肩甲骨の可動をメインに使うというわけです。
確認動作なので回数やセット数は特に設定せず、自分が納得いくまでやりましょう。
まとめ
トップの位置が低い人のバックスイングを大きくするには肩甲骨の可動域アップだけでは不十分です。
体幹と骨盤周りのコンディショニングも必要です。
そして、体幹と骨盤周りのコンディショニングをするには股関節周りのコンディショニングも欠かせません。
適切な方法で上記のコンディショニングを行えばバックスイングからトップに入る過程で肩甲骨もスムーズに動くようになっていきます。
逆にいえば、肩甲骨の運動だけでバックスイングからトップの動きを改善するのは難しいといえます。
トップの位置が低いから改善したい!
そう考える人は適切な手順でコンディショニングを行い、バックスイングからトップの動きにフィードバックさせましょう。
1年間を目安に定期的に取り組めば効果は現れます。
もちろん、人によっては1年以内の早い段階で効果が現れることも期待できます!
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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