40代、50代が簡単にヒップアップするには最適な方法を見極める必要がある
ヒップアップに直結する筋肉
自分のヒップが垂れ下がっている
そんな自覚のある40代、50代は何をすればいいか?
最もオーソドックスなアプローチは大殿筋、中殿筋などお尻の筋肉を強化することです。
下記の通りどちらも骨盤、股関節を支えている臀部の筋肉です。
ヒップアップに最も効果のある筋トレはスクワット
ヒップアップには大殿筋、中殿筋の強化が必須なのは前述の通り。
大殿筋、中殿筋を最も簡単に強化できる筋トレとは何か?
それは間違いなくスクワットです。
それも限界に近い重さのバーベルを両肩に担いで行うスクワットは最大限にその効果を発揮します。
つまり、ウエイトトレーニングを安全に行えるだけのトレーニング経験や筋力、柔軟性があればヒップアップ効果を出す筋トレはスクワット一択。
しかし、常識的に考えてヒップの垂れ下がっている40代、50代の人に豊富なトレーニング経験や十分な筋力、柔軟性があるとは考えられません。
そのような人ができる限り簡単にヒップアップするにはスクワット以外の筋トレを行う方がいいのです。
それにその方がジム通いしなくても自宅で簡単にできます。
自分にとってスクワットが最適な方法かを見極める3つのチェック
そうは言っても、スポーツジムでスクワットをやろうと考えている人もいるでしょう。
そんな人は以下に紹介するスクワット動作中の3つの注意点をチェックしてください。
スクワットを安全に行うには少なくとも以下3つの条件を満たしている必要があります。
□背骨の自然なS字をキープできる
□骨盤の前傾をキープしながら股関節を屈曲させる可動域がある
□骨盤を水平にキープしながら股関節を屈曲させる筋力がある
例えば、スクワットの動作中に背骨の自然なS字をキープできなければ上半身が前方に傾いてバランスを崩します。
また、骨盤の前傾をキープしながら股関節を屈曲させることができなければ骨盤が後傾してバランスを崩します。
さらに、骨盤の水平をキープしながら股関節を屈曲させることができなければ上半身が捻れながら前方に傾きます。
3つの条件を意識しながらスクワットをしても、
- フォームが崩れない
- トレーニング中は常に徹底できる
このような人は1ヵ月〜3ヵ月の短いスパンで簡単にヒップアップ効果を実感できるでしょう。
もちろん40代でも50代でも。
しかし、3つの条件を意識しながらスクワットをしてもフォームが崩れる人は他のアプローチを考える方が簡単にヒップアップできる可能性が高いといえます。
なぜかというと、スクワットのフォームを固めてそれからヒップアップに向けて継続していくのはそれなりに時間がかかるから。つまり、簡単なアプローチとはいえません。
例外
十分なトレーニング経験がなければスクワット以外の方法を
と言ってきましたが、実は例外があります。
それは現状の筋力や柔軟性、既往歴などあなた自身のフィジカルなパーソナルデータを考慮しながら行える人です。
もう少し簡単にいえば、フォームが崩れないように負荷を徐々に上げながらトレーニングを継続できる人です。
このような人は2パターンしかありません。
- trial and errorしながら長期的な視点でトレーニングに取り組むパターン
- パーソナルトレーナーの指導を受けながら安全性を担保して取り組むパターン
前者の問題点は自己流になる可能性があり、その場合ケガのリスクがある。そして何より短期間で成果を出すのは難しい。つまり、簡単なアプローチではない。
その点、パーソナルトレーナーの指導を受けながら取り組めば個人差はあれど、比較的早く成果を出すことも可能でしょう。デメリットは費用面ですが、そこに問題なければぜひパーソナルトレーニングをすすめます。
パーソナルトレーニングが効果的なのは前述の通りですが、さらにEMSを利用することでより効果を上げることが可能です。
スクワット以外にヒップアップ可能な筋トレ
ヒップリフト:ベーシック編
スクワットをいきなりやるのは難しい
そんな人におすすめしたい簡単な筋トレがヒップリフトです。
ヒップリフトでは上記の通り、下半身でブリッジします。
しかし、やみくもにやればいいというものではなく、事前に手順と注意点を確認しておく必要があります。
動作前の注意点
- 仰向けになる
- かかとを膝の真下に近づけるように両膝を曲げる
そこから上記のようにブリッジしてお尻を持ち上げます。
上げる高さは、太ももの前と腹部が一直線になるまで。
動作中の注意点
- かかとを浮かさない
- 頭を浮かさない
- 両肘を直角に曲げて床を押す
- 腰を反るような上げ方はNG
10回行う際の手順
- 10秒キープしてからお尻を降ろす
- お尻のアップダウンを10回繰り返す
※10回×3セット行いましょう。
ヒップリフト:アドバンス編
バランスボールを利用したヒップリフト
スクワットよりも簡単に取り組めるので、慣れてきたら少しづつヒップリフトの強度をアップさせてみましょう。
手順と注意点は先述と同様ですが、バランスボールが動かないように気をつけてください。
※10回×3セットを目標にしてください。
内転筋にも負荷のかかるヒップリフト
実はヒップアップはお尻の筋肉だけを鍛えればいいというわけではありません。
内転筋も同時に強化しないと骨盤を支える力のバランスが崩れて腰椎や仙腸関節に負担がかかります。
バランスボールを両足で挟みながらヒップリフトを行うと、お尻の筋肉だけではなく内転筋も同時に強化できます。
※10回×3セットを目標にしてください。
ヒップスラスト
チャンネル:ホリデイチャンネル
ヒップスラストはヒップアップしたい女性に圧倒的な人気のあるトレーニングといっても過言ではありません。
私としてはスクワットの方が効果的だと思っていますが、女性の立場からすればモチベーションの上がる方法の方がいいでしょう。
そこでヒップスラストにもふれておきます。
最もオーソドックスなやり方は上記の動画にもあるようなスミスマシンを使ったやり方です。
もちろんフリーウエイトのバーベルでもできますが、安全性や簡単さを優先すればスミスマシンで行う方がいいでしょう。
ヒップアップ効果が出ない場合に見直すポイント
腹圧が抜けている
ヒップアップはもちろん股関節の筋肉を使うには姿勢が重要です。
特に上記のように腰椎の自然な前弯をキープするだけの体幹の筋力はあるのか?
ヒップアップにはここがポイントです。
ところが、腰椎の自然な前弯が崩れると下記のように前弯の度合いが大きくなります。
これがいわゆる腹圧の抜けた状態です。
腹圧が抜けていると腰椎–骨盤を中心に姿勢を適切にキープすることができません。
さらに繰り返しになりますが、
股関節の筋肉を十分に使うことができなくなります
なぜなら、腹圧が抜けることで猫背や反り腰の姿勢になりやすく、例えばスクワットでしゃがむと股関節が使えないから腰や膝の動きにたよるようになるから。
つまり、腹圧を高めることで腰椎の前弯と骨盤の前傾を自然な状態にキープすることができるのです。
そして、それが股関節を使うことにつながります。
トレーニングフォームをキープする筋力、柔軟性がない
腸腰筋の柔軟性が低い
腸腰筋の柔軟性が低いとはどのような状態か?
立位姿勢でリラックスしたときに腰椎の前弯と骨盤の前傾を自然な状態にキープできない人はここに該当します。
例としては、上記のように骨盤が過度に前傾している人はこの傾向が強いといえます。
特にスクワットなど下半身のトレーニングをすると股関節を十分に使えないので腰に負担が集中します。
一方、立位姿勢でリラックスしたときに骨盤が後傾している人も要注意です。
こちらも腸腰筋の柔軟性の低下が疑われます。
なぜ、骨盤が後傾しているといけないのか?
スクワットを例に下記の動画で詳細を確認できます。
骨盤の左右の高さが違う
中殿筋が弱いと立位の姿勢であれスクワットであれ骨盤を水平に保つことができません。
例としては、中殿筋の筋力に左右の差があると弱い方から骨盤が前に傾くことがあります。ちょうど上半身が片側から前に傾く感じです。
骨盤の歪みを矯正できる筋力がない
骨盤底筋が弱いと骨盤を支える力が弱くなります。
骨盤底筋の機能が悪く、骨盤が開いた状態や閉じた状態に偏ってしまうと猫背や反り腰の姿勢になりやすいので当然、股関節の筋肉を使うことが難しくなります。
改善策
ここまで指摘したヒップアップ効果が出ないポイントに引っかかる人は、一度ヒップアップのことは置いて、プランクなどで腹圧を高める練習から始めるべきです。
特別な疾患がない限りは腹圧を高めること自体はそれほど難しくありません。
腹圧を高める感覚を確認できたらプランクなど基本的な腹圧トレーニングをやってみましょう。
プランクのフォームを適切に30秒キープできるようになれば、自重スクワットなら十分にフォームを保てるでしょう。
ランニングでヒップアップする際の注意点
ランニングフォームに注意
スクワット、ヒップリフト以外にもヒップアップに効果的な方法にランニングがあります。
ランニングは簡単に始められる手頃さがポイントです。
しかし、ランニングフォームに注意しないとヒップアップよりも太ももやふくらはぎの筋肉の方が優位に発達する可能性があります。
さらに、膝や足首に負担がかかってケガのリスクもあります。
これは大殿筋や中殿筋など臀部の筋肉によって股関節の機能を効率的に使えないことと、股関節がうまく使えない分を膝や足首の動きに頼ることになるからです。
そこで、ランニングでヒップアップするためのポイントを簡潔に言うと、
地面を力強く蹴って走る
なぜなら、地面を力強く蹴ることで大殿筋の力を使えるだけではなく、反対側の脚が自然に前に出てくるから。
逆をいえば、地面を力強く蹴ることができないと、腸腰筋の力に依存して脚を前に出さなくてはいけなくなります。
これは大殿筋よりも腸腰筋を緊張させることにつながり、ここまでに指摘したヒップアップ効果が出ない理屈に当てはまります。
しかし、言うは易しで実はこれが中々難しいのです。
地面を力強く蹴るには
下記のように股関節・膝・足首を同時に伸展させるトリプルエクステンションがポイントになります。
トリプルエクステンションを身につける
トリプルエクステンションを身につけるには2つのアプローチがあります。
一つはジャンプ系のトレーニングを行ってトリプルエクステンションの練習をする。
もう一つはランニングしながらトリプルエクステンションを身につける。
参考までにトリプルエクステンションを意識できるジャンプ系のトレーニングを一つ紹介します。
下記のトレーニングをやってみてすぐにできる人は独学で身につけられる可能性が高いと考えられます。
うまくいかない人は専門家の指導を受ける方がよいでしょう。
有酸素運動のやり過ぎに注意
こんな言葉を聞いたことはありませんか?
有酸素運動の頻度が高い人はビックリするかもしれませんが、これはスポーツ科学や運動生理学の点からも証明されている事実です。
有酸素運動を開始した直後の主要なエネルギー源は糖質ですが、同時に脂質やタンパク質も少しずつエネルギー源となっています。
そして、有酸素運動を開始すると糖質の燃焼される割合が高いので、持続時間が長くなるほど脂質やタンパク質よりも真っ先に糖質は枯渇するいう特徴があります。
さらに、糖質枯渇後に限界まで脂質も使われてしまえば残るエネルギー源はタンパク質だけです。
これが行き過ぎれば、筋肉が分解されてタンパク質がエネルギー源になり得ます。
これは筋肉量の低下を意味しています。
また、一日に行う有酸素運動の時間が30分〜60分という人は見直しが必要になる可能性があります。
なぜなら、ヒップアップは下半身の筋トレですが、30分以上の有酸素運動が下半身の筋力アップにはマイナスに作用するという報告もあるからです。
また、60分以上の有酸素運動は筋力アップ自体にマイナスに作用する可能性が高くなります。
さらに、週3回以上、有酸素運動を実施している人も同様に注意が必要です。
結論としては、脂肪燃焼を目的に有酸素運動を行う際はやり過ぎに注意しないと筋肉量が低下して体脂肪率が増えることになります。
そして、ランニングも有酸素運動であることを忘れてないようにしましょう。
まとめ
ヒップアップに効果的なエクササイズは一つだけではありません。
- スクワット
- ヒップリフト
- ランニング
どれを選んでも効果は期待できます。
重要なのは、
- 正しいフォームで行う
- 負荷をかけるならフォームを保てる範囲内にする
- 有酸素運動のやり過ぎに注意する
ことです。
フォームが不適切なのにスクワットをたくさんやったり、ランニング量を増やしても効果はありません。
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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