広背筋の筋トレならチンニング(懸垂)!カッコよく効果的な鍛え方は3つの注意点を意識しよう!

チンニング(懸垂) 豆知識

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広背筋筋トレのチンニング(懸垂)効果を出す3つの注意点

注意点1:チンニング動作に必要な肩甲骨の動きを理解する

広背筋

チンニングといえば広背筋を強化する代表的なトレーニングです。

広背筋以外に大円筋、僧帽筋、上腕二頭筋の強化も可能ですが、ほとんどの人は広背筋の強化を最優先に考えているといっても過言ではありません。

なぜなら、男性の男らしい背中女性の美しい背中のラインなど男女問わず理想とする身体になるには広背筋の強化が必要不可欠だからです。

ただし、チンニングで広背筋を強化するには3つの注意点を遵守しながら行う必要があります。

これらの注意点を無視したチンニングでは広背筋を強化することはできません。

そこで、まず1つ目の注意点はチンニング動作に必要な肩甲骨の動きを理解することです。

チンニング動作に必要な肩甲骨の動きとは下制、下方回旋です。

肩甲骨の動き

肩甲骨の下制と下方回旋が必要な理由は以下の通りです。

肩甲骨が下制と下方回旋しないと広背筋に力が入らないから

以下は具体例になります。

肩甲骨の下制と下方回旋

上記のイラストにあるように肩甲骨が下制と下方回旋しながら動くことで上腕骨は肩甲骨に引き付けられます。

より一般的な表現でいうなら、以下の写真(右側)にあるように上腕部を上半身に引き付けることができます。

肩甲骨が下制と下方回旋しながら上腕部を上半身に引き付けることで広背筋を十分に使うことができるのです。

チンニング

もし肩甲骨が適切な動きをしていなければ、広背筋の力を十分に使えないので他の筋力に頼らざるを得なくなります。

他の筋肉とは上腕二頭筋です。

上腕二頭筋

広背筋よりも上腕二頭筋の筋力に依存しながらチンニングをすれば腕の筋肉に大きな負荷がかかります。

つまり、広背筋にはほとんど効きません。

注意点2:チンニングで肩甲骨を動かしているのは僧帽筋

より正確にいえば、僧帽筋の下部(以下、僧帽筋)の働きによって肩甲骨が動きます。

冒頭でチンニングでは広背筋・大円筋・僧帽筋・上腕二頭筋を中心に使うといいましたが、僧帽筋以外の力で肩甲骨が動くことはありません。

機能解剖学的にチンニングで肩甲骨を動かしているのは僧帽筋だからです。

よって、2つ目の注意を整理すると以下のようになります。

チンニング効果で広背筋を強化するには同時に僧帽筋の下部も使えなければダメ!

注意点3:腕よりも肩関節の動きを意識しよう

肩関節

腕よりも肩関節の動きを意識してもらいたい理由は広背筋を十分に使うためです。

腕の力とは主に上腕二頭筋の力ですが、一方で肩関節の力とは主に広背筋によって生み出されます。

さらに大円筋が広背筋をサポートするように働きます。

肩関節の具体的な動きは以下になります。

肩関節の内転、伸展

肩関節の内転伸展については以下の写真を参照してください。

以下の写真では肘が伸びており、一方でチンニング動作では肘の曲げ伸ばしを行いますが、肩関節の本質的な動きに違いはありません。

肩関節の内転と伸展

前述の説明を踏まえれば、肩甲骨が下制と下方回旋しながら動くことで肩関節は内転と伸展の動きをスムーズに行えるようになり、結果としてチンニング動作もスムーズに行えます。

もちろんそれは広背筋を使えているからです。

ですから、腕よりも肩関節の動きを意識するべきなのです。

これが3つ目の注意点になります。

チンニングができないけど広背筋を強化したい人へ

チンニングができない人に見られる傾向

チンニングができない人の多くは以下の写真(左)のように首や肩がすくんだ姿勢になりやすく、なおかつ僧帽筋の上部三角筋上腕二頭筋の力に依存してチンニングを行う傾向があります。

写真(右)は適切なフォームなので見比べてみましょう。

チンニングの良い例と悪い例

写真(左)では本来、チンニング動作でメインとなる広背筋ではなく補助的な役割にある筋肉しか使えていません。

ですから回数ができないのも当然です。😌

そこで、チンニング以外の方法として以降で紹介するようなトレーニングがすすめられることがあります。

ワンハンドロウ

ワンハンドロウ

ワンハンドロウとはダンベルなどを片手に持った状態で上に向かって引き上げるトレーニング。

広背筋と僧帽筋を使うトレーニングなのでチンニングができない人には適した方法です。

取り入れる場合は以下の手順で行いましょう。

  • 左右どちらかの手でダンベルを持つ
  • ダンベルを持った手と反対の脚をベンチに置く
  • ダンベルを持った腕を下に垂らす
  • 広背筋、僧帽筋の力でダンベルを引き上げる

※上記の手順は下記の写真の通り

ワンハンドロウ

ベントオーバーロウ

ベントオーバーロウ

ベントオーバーロウとはバーベルを持った状態でみぞおちに向かって引き上げるトレーニング。

広背筋と僧帽筋を使うトレーニングなので、ワンハンドロウ同様にチンニングができない人には適した方法です。

取り入れる場合は以下の手順で行いましょう。

  • バーベルを持って上半身を前傾させる
  • 膝を軽く曲げる
  • バーベルをみぞおちに向かって真っ直ぐ引き上げる

※上記の手順は下記の写真の通り

ベントオーバーロウ

ラットプルダウン

ラットプルダウン

上記はラットプルダウンというトレーニングマシン。

イスに座って大腿部をパッドで固定しながらバーを胸に向かって引き下ろすことで広背筋と僧帽筋を使うことができます。

ただし、ラットプルダウンをやり続けることでチンニングができるようになるわけではありません。

これはワンハンドロウでもベントオーバーロウでも同様。

理由は、以下の通り広背筋の作用の違いです。

  • チンニング→広背筋を中心に全身を支える
  • チンニング以外→全身を支える必要がない

つまり、ラットプルダウンでチンニング同様の負荷はかかりません。

あくまで、広背筋と僧帽筋に力を入れる感覚を覚えるくらいの意識で利用してください。

リストラップを使用してチンニングを行う

リフティング用のリストラップ

リストラップ

チンニングができない人に有効な手段になり得るのが、上の写真にあるようなリストラップの使用です。

チンニングをしていても握力がもたない…

チンニングができない人の中にはこんな悩みを経験したことがある人も少なくないのではないでしょうか。

そこで、リストラップを使うと握力の消耗を防ぐことができます。

より具体的にいうと握力を含め前腕の筋力よりも広背筋を使いやすくなる可能性があります。

万能な手段ではありませんが、数回でもできればしめたものです。

ぜひ、リストラップを使ってチンニングにトライしてみましょう!

ちなみにチンニングで使用するリストラップを選ぶ場合はリフティング用に使うタイプにしなくてはダメです。

一口にリストラップといってもベンチプレスなどで使用する手首に巻き付けるタイプもあるので注意しましょう。

リストラップの違い

そこでチンニングに使用するタイプのリストラップを以下に紹介します。

リフティング用のリストラップの巻き方について

リフティング用のリストラップの巻き方ですが、初心者の人は苦戦する可能性があります。

ですから、巻き方を動画で紹介しておきます。

念のため上記動画の内容を下記で写真解説しておきます。

リストラップを巻く手順

続いて、リストラップをチンニングのバーに巻き付けます。

以下の①〜⑥を参照してください。

リストラップを巻く手順

リストラップの巻き方は、上記の巻き方が唯一無二というわけではないので参考までに。

(注)例え、マニュアルなどを見ながらであっても初心者の人がチンニングのバーにリストラップを巻くのは苦戦が予想されます。可能であれば、最初は慣れている人に手伝ってもらうことをおすすめします。

プロネイトグリップを避ける

プロネイトグリップ

プロネイトグリップとは上記の写真のように手の甲を自分の方に向けてバーをグリップした状態です。

このプロネイトグリップはチンニングでは一般的なバーの握り方になりますが、実はこれが原因でチンニングができない人を増やしているのではないか?

と私は密かに疑問を抱いています。

その理由は、以下2点です。

プロネイトグリップでは前腕が回内した状態でチンニングを行うから
機能解剖学的に、前腕が回内すると肩甲骨は下制や下方回旋しにくくなるから

上記2点をもっとわかりやすくいうなら、

首や肩がすくんだ姿勢になりやすいから広背筋が使いにくい

ということになります。

もちろん、筋力の強い人はプロネイトグリップでも問題なくチンニングで広背筋を使うことができるでしょう。

問題は広背筋や僧帽筋の筋力が弱い人です。

そのような人がチンニングを行うと、ほぼ例外なく首や肩がすくんだ姿勢になり、広背筋や僧帽筋を使うことができません。

そこで提案したいのが、以下の写真(左)ように手の甲を側面に向けたグリップです。

写真(右)はプロネイトグリップですが、写真(左)は手の甲を側面に向けてグリップしているのがわかります。

チンニングのグリップ

初心者の人やチンニングができない人に推奨したいのは写真(左)のグリップです。

チンニングをする際にはまずチンニングスタンドの構造を確認するようにしましょう。

特に自宅に家庭用のチンニングスタンドを購入する場合は必須です。

まとめ

カッコいい背中を手に入れたい人や広背筋を強化したい人にとって、チンニング(懸垂)は有効なトレーニングの一つです。

しかし、チンニングで広背筋を使うのは難しいものです。

特に肩甲骨周囲の筋力が弱くバランスの悪い人にはハードルは高くなります。

ですから、チンニングができない人や初心者の人は、チンニングで身体をどのように使うのかを理解して適切な手順で挑戦していきましょう。

そのために、リストラップを使用したり、グリップの仕方を変えてみたりするのは役に立つはずです。

チンニングほど、できる人とできない人の差が激しいエクササイズはありません。

適切な手順でトライしましょう!

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筆者の紹介

名前:SHINトレーナー

トレーニング指導歴15

主な経歴

  • MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
  • 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
  • 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
  • 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
  • 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験

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