ゴルフスイングの基本で優先順位が高い体重移動と回転
ゴルフスイングの基本を構成する要素
アドレス、バックスイング、トップ、スイングの始動、インパクト、フォロー
ゴルフスイングを構成している要素はザッと分けただけでも上記の通りたくさんあります。さらに、この中でアドレス一つとってみても両足への荷重の仕方、クラブのグリップの仕方、頭の位置、骨盤の傾き、上半身の前傾の度合いなど細かく分けていくと注意点はさらに多くなります。
これらの構成要素をもれなく順に整理・確認していくのはとても大変な作業で、特に初心者が全てを順にマスターしていくのはかなりの根気が必要です。
楽しくできればそれでいいからそこまで学ぼうとは思わない
中にはこんな考えの人もいるでしょう。
でも、そんな人たちも打数を減らすなど多少なりともスコアメイクしないと楽しくプレーできません。そこで、思い浮かぶのがドライバーの飛距離アップです。
飛距離アップするにはバックスイングやインパクトだけではなくアドレスやフォローなども重要です。しかし、飛距離に直結するのはやはりバックスイングからインパクトまで。
そして、バックスイングからインパクトまでに必要なのが体重移動と回転です。
スイング全体を細かく分解して一から順に隈なく学ぶのはめんどくさい人は、体重移動と回転の効率アップだけでも着手してみてはどうでしょうか?
体重移動と回転だけではミスショットを減らすことには直結しませんが、それでも当たれば飛ぶようになります。それにやってるうちにもっと細かいところまでこだわってみる気持ちになるかもしれません。
ですから、導入として体重移動と回転だけに集中してみるのもおすすめです。
体重移動
体重移動とは何か?
ゴルフスイングで顕著に現れるのはトップ、インパクト、フォロー
右足から左足にかけて体重移動が起こります。
回転
ゴルフの回転はヘリコプターのプロペラのように何度もぐるぐる回るような動作ではありません。トップ、インパクト、フォローの流れの中で打球の方向に向けて身体の中心をわずかに回すだけです。
ただし、飛距離アップにはそのわずかな回転を高速で力強く行う必要があります。
体重移動と回転の図解
図解その1 アドレス→バックスイング→トップ
飛距離アップにはある程度の力強さが必要ですが、この力強さを出すにはただ筋力が強いだけではダメ。インパクトでのヘッドスピードを最大に加速させるのが最も効率的。そして、ヘッドスピードを上げるためには予備動作が重要です。
弓矢を例に予備動作を確認してみましょう。
矢を力強く放つには弦を引くときに弓の中心を動かさないようにしなくてはいけません。弓の中心を動かさずにできる限り弦を引けば引くほど放たれる矢の速度は上がります。そして、この弓の中心を動かさずにできる限り弦を引くのが予備動作です。
ゴルフスイングの予備動作はバックスイングです。
アドレスからトップに入るまでのバックスイングで身体中心の軸をできる限り動かさずにトップに入れば力強いスイングを行うための予備動作が完了します。
身体中心の軸をできる限り動かさないためには体重移動と回転を抑える必要があります。
つまり、バックスイングでは体重移動をできる限り抑え、かつ身体中心を回転させない方が予備動作でパワーを蓄積することができます。
図解その2 トップ→インパクト
トップからインパクトにかけて体重移動が起こります。
体重移動にともない、回転が起こります。
回転のパワーが大きいほどヘッドスピードが加速します。
図解その3 インパクト→フォロー
インパクトでヘッドスピードを最大に加速させ、インパクト後はヘッドスピードを減速させながらフォローで最終的にゼロになる。
ヘッドスピードを減速させながら最終的にゼロする動作がうまく行われないと腰や膝など身体のどこかに負担がかかります。言い換えると、身体のどこかに痛みのある人に対しては、インパクト以降の動きを分析すればその原因を特定することができます。
難しいのは、フォローの仕方には関節の可動域など個人差が影響することです。上記のように左足の裏が地面から一部浮く人もいればほとんど浮かない人もいます。左足の裏が浮く人は浮かない人に比べて左股関節の可動域が狭い可能性がありますが、左足の裏が浮くこと自体には問題ありません。
最も重要なことは上体が不自然に前に突っ込みながらスイングするような動作(いわゆるスウェー)にならないことです。
体重移動と回転の強化はどちらが優先順位が高い?
日本の従来の指導では体重移動が重視された
日本で推奨されてきたゴルフ理論では長らく体重移動が重視されてきました。
なぜなら、体重移動は下半身の筋力に依存する部分が大きくランニングなど我々日本人が慣れ親しんできた方法で強化することが容易だから。
一方、欧米では今も昔も回転を重視したスイングが主流です。
これに関しては、欧米人は上半身が強いから非力な日本人には向かないという意見が多く、体重移動の重視につながっていたと考えられます。
回転を重視したスイングは日本人には向かないのか
回転を重視したスイングとは、回転扉がその場でグルンと回るようなイメージのスイングです。確かにこのようなスイングの仕方では軸をできる限り動かさずに身体の中心を回転させるパワーが必要です。平均身長や骨格の差を考えれば欧米人有利というのもうなずけます。
しかし、食料事情が昔に比べて改善しトレーニング科学も普及した現代の日本人には必ずしもその理屈は当てはまりません。
松山英樹プロや畑岡奈紗プロなどのスイングを見れば回転を重視する傾向が増えているのは一目瞭然です。
まとめ
ゴルフスイングの複雑なメカニズムを理解するのは嫌だけどゴルフは楽しみたい。
そんな人が楽しむのに最も適しているのが飛距離アップではないでしょうか。
とりあえず当たれば飛ぶ状態を作りたい人は体重移動と回転だけ注目してみましょう。
体重移動と回転を身につけると当たったときの飛距離は劇的に上がります。
飛距離が出るようになれば正確性などにも目が向くかもしれません。
まずは自分のモチベーションが上がることからがんばってください!
回転力の強化トレーニングについては別記事で紹介しています!
吉祥寺のパーソナルトレーニングジム
導[MICHIBIKI]ストレッチ&エクササイズ
筆者の紹介
名前:SHIN
トレーニング指導歴15年
主な経歴
- MLBテキサスレンジャーズのインターンシップを経験
- 総合格闘技UFCの選手に帯同し、アメリカ遠征を経験
- 拓殖大学硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 帝京高校硬式野球部コンディショニングコーチ経験
- 富士重工硬式野球部コンディショニングコーチ経験
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