ランニング中に感じる膝の痛みの治し方は適切な筋トレとフォームの見直し!

ランニングフォームと背骨のS字 ランニング

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ランニングで膝の痛みが出たらフォームと筋力不足を疑え

ランニングで膝の痛みを感じる人はフォームが悪い

気軽に始められるランニングですが、始めた途端に膝の痛みを感じて中止してしまう人は少なくありません。

特に運動不足の人には珍しくないことです。

運動不足でランニングを始めてから膝の痛みを感じるまでの一般的な流れは以下の通りです。

適切なランニングフォームを保つだけの筋力がない
筋力がなければ膝関節が安定しない
膝関節を支えている筋肉や靭帯、半月板などに負担がかかる
膝の痛みを感じる

ですから、

筋トレで膝関節を安定させる
適切なランニングフォームを身につける

こも2点がランニング中に感じる膝の痛みを治すポイントになります。

ランニングで膝の痛みを感じる原因

原因その1 大腿四頭筋とハムストリングスの筋力に差がある

太ももの前後には大腿四頭筋ハムストリングスという筋肉があり膝関節の安定に関与しています。※下記イラストで確認できます。

大腿四頭筋とハムストリングスの筋力バランスがとれた状態では膝関節が安定しているので痛みを感じることはありません。

筋力バランスについては、大腿四頭筋の筋力を10としたときにハムストリングスの筋力が最低でも6以上ないと膝関節が安定せずケガのリスクが高くなります。

つまり、大腿四頭筋に比べてハムストリングスの筋力が極端に弱い状態で走り続ければ膝の痛みを感じることになります。

ランニングフォームが悪いと大腿四頭筋には力が入るがハムストリングスには十分に力が入らないことがあります。

このような場合、筋力やランニングフォームの改善をしないと遅かれ早かれランニング中に膝の痛みを感じるようになります。

大腿四頭筋とハムストリングスが膝関節を支える

原因その2 上半身の姿勢を保つ筋力が弱い

ランニング中の理想的な上半身の姿勢とは、以下の写真のように背骨のS字をキープしている状態です。

ランニングフォームと背骨のS字

背骨のS字をキープしながら走ることができないと膝に痛みを感じる可能性が高くなります。

理由は、背骨のS字をキープできないと重心の位置が変化するからです。

特に、猫背姿勢のランニングフォームでは、重心が前にいくので膝への荷重が増えて負担につながります。

このような場合は、上半身の筋力で背骨のS字をキープできるようにならないと膝の痛みを根本的に改善することはできません。

猫背姿勢のランニングフォーム

原因その3 ハムストリングスの柔軟性が低下して骨盤が後傾している

ハムストリングスの柔軟性が低下することでランニング中に膝の痛みを感じることがあります。

その理由は、大腿四頭筋とハムストリングスのバランスが崩れて骨盤のポジションが変わるからです。

大腿四頭筋とハムストリングスのバランスが保たれているランニングフォームでは骨盤は前傾しています。

骨盤の前傾は以下の写真で確認できます。

ランニングと骨盤

一方、膝に負担のかかるようなランニングフォームでは骨盤は後傾しています。

具体的には、下記のイラストを参照してください。

ハムストリングスの柔軟性が低下すると骨盤を後方に引っ張る力が強くなって、骨盤の後傾が強制されることがわかります。

そして、骨盤が後傾した状態で走り続けていると、大腿四頭筋の力が弱くなるので膝を伸ばすときに痛みを感じるようになります。

このような場合は、筋力や柔軟性の改善をしないとランニング中の膝の痛みがなくなることはありません。

骨盤の後傾とハムストリングス

原因その4 足底アーチによる緩衝作用が使えていない

足底アーチとは足の裏(足底)にあるいわゆる土踏まずです。

足底アーチについては以下の写真で確認できます。

足底アーチ

足底アーチの役割は緩衝作用です。

ウォーキングでもランニングでもただ立っているだけでも足底と地面の間には以下の力が作用し合っています。

足底で地面を押す力
地面が足底を押し返す力

緩衝作用とは、ウォーキングやランニングで地面が足底を押し返す力(言い換えると衝撃)を吸収・分散する働きです。

ランニングで足底アーチの緩衝作用が使えないと、膝に痛みを感じることがあります。

その理由は、足底アーチによる緩衝作用が働かないと地面からの衝撃を下半身全体でバランスよく吸収・分散できず、膝関節に集中することになるからです。

足取りが重そうに歩く人や走る人は足底アーチによる緩衝作用が機能していない可能性が高いといえます。

足底アーチの緩衝作用

原因その5 足底アーチによる推進力が使えていない

前述の足底アーチですが、ウォーキングやランニングでは緩衝作用だけではなく推進力の働きもあります。

推進力を簡単にいえば、足底で地面を蹴る力です。

地面を蹴る力が弱いと膝の痛みを感じることがあります。

理由は、ランニング動作で生み出される推進力にあります。

以下のフローチャートを見てください。

足首
股関節

フローチャートにあるようにランニング動作では、下半身の下から上へと力が伝播しながら伝わっていきます。

ところが、足底で地面を蹴る力が使えないことで力の伝播するバランスが崩れてしまいます。

足底で地面を蹴る力が弱ければ、膝や股関節により負担をかけなければ推進力を生み出すことができません。

股関節を使うのが難しいことを考えれば、特に膝にかかる負担の方が大きいといえます。

よって、ランニング動作の起点でもある地面を蹴る力が弱いと膝に痛みを感じる可能性が高くなります。

緩衝作用と同様に、足取りが重そうに歩く人や走る人は足底アーチによる推進力が機能していないといえます。

ランニング動作の推進力

原因その6 ビギナーの誤解を招くアドバイス

陸上経験者や一定水準以上のアスリートでないとランニングフォームや走り方のスキルを追求した指導を受ける機会はなかなかありません。

最近では、ランニングフォームを指導するトレーナーも増えましたがアスリートにするようなアドバイスをビギナーにもそのまましているような指導には注意が必要です。

典型的なのは、以下の2つです。

腕を振って走りなさい
脚を引き上げなさい

このようなアドバイスはかえって誤解を招く可能性があります。

理由は、腕を振る動作脚を引き上げる動作もランニング動作の中の一環でしかないからです。

前述のフローチャートでランニング動作の推進力は、下半身の下から上へと力が伝播しながら伝わっていくことを強調しましたが、最終的には下半身から上半身に力が伝播します。

そして、腕を振る動作脚を引き上げる動作も下半身から上半身に力が伝播するプロセスの中で自然に行われます。

つまり、意識的に行う動作ではないのです。

にもかかわらず、

意識的に腕を振れば腕の筋肉に余計な緊張が生まれる
意識的に脚を引き上げれば股関節がうまく使えない

よって、ランニングフォームが崩れて膝に痛みを感じることがあります。

ランニング中に感じる膝の痛みの治し方を筋トレとフォームの観点から提案

提案その1 ウォーミングアップで股関節の可動域を広げる

一般的にはランニング自体がウォーミングアップとして行われますが、ランニングで膝の痛みを感じる人はランニングをするためのウォーミングアップを行う必要があります。

理由は先述の通り、股関節の可動域が狭いと膝関節の動きで股関節の動きの悪さを補うことになり、膝への負担が増えるからです。

そこで、柔軟性の向上を加味したフロントランジウォークというエクササイズを動画で紹介します。

10㍍くらいの距離をとって3〜5回行いましょう。

提案その2 ハムストリングスの筋トレ

大腿四頭筋に比べてハムストリングスの筋力が弱くなりやすいことは先述の通りです。

そこで、ハムストリングスのエクササイズを動画で紹介します。

初級編

10回×3セットを目安にします。

上級編

ハムストリングスに大きな負荷がかかるエクササイズなので、いきなり多くの回数を行うのは注意が必要です。

まずは、5回×1セットからスタートしていきましょう。

最終的に、10回×3セットまでできるようになれば膝関節の安定性はかなり高くなります。

提案その3 フォームの改善

ビギナーの人は特に、前脚の引き上げよりも後方の蹴り足を意識する方が優先順位が高いと考えてください。

理由は先述の通り、蹴り足を意識した走り方ができれば自然に脚の引き上げはできるようになるからです。

アスファルトではなく、なるべく土や芝生の上でランニングする方が膝への負担は軽減されるし、地面を蹴る感覚もつかみやすくなります。

ランニングフォームのポイント

まとめ

ランニングで膝の痛みを感じる原因はフォームの悪さに集約されます。

ランニングフォームを崩している原因は筋力不足ですが、特に蹴り足に使う筋力に注目しましょう。

しかし、膝の痛みを感じても半月板損傷のような重症でない限りは筋トレやランニングフォームの改善で克服できます。

気軽に始められるランニングですが、膝の痛みを感じるから中止するという事態を避けるためにも筋トレやフォームを軽視しないでください。

筋トレは自分でできるけど、ランニングフォームのスキルをマスターするのが難しいという人はパーソナルトレーニングを利用してみるのもお勧めです。

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